ファレノプシスの開花調節と苗供給

 ファレノプシスの開花調節と苗供給

 

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ファレノプシス編その3 「開花調節と苗供給」

a.開花調節(計画生産)

 ファレノプシスはフラスコ出しから大きく別けて3つの生育段階を経て約2年で出荷になる。ファレノプシスは25℃以上の高温が長時間続くと栄養生長が盛んになる。
 また、25℃以下の温度が長時間続くと生殖生長(花芽分化)を促す。その性質を利用して開花調節を行う。高温室で花芽分化を抑制して育成した株を開花室(低温)に移動し温度差を与える事で花芽を分化させる。

 出荷目標日から逆算して4~5ケ月前に開花へ移動する。開花までの日数は品種と室温によって多少前後する、周年出荷するには2週間周期で花芽分化処理を行うと平均した出荷が可能となる。また、安定した周年出荷を実現するためには定期的な苗の供給が必要になる。

 

b.生育のステージに合わせた3つの環境

ファレノプシスを周年生産するには生育ステージ毎に温度の違う3通りの温室を作る必要が有る。 *苗室 CP~3号鉢、フラスコ出しからリーフスパン25~30㎝になるまでの1年間位この温室を使う。鉢物出荷の場合、全体の面積に対して30%位の面積が必要になる。病気の蔓延を防ぐため小さめの温室を数棟に分けると良い。

 

*6:00~21:00 27~30℃
*21:00~00:00 26~27℃
*00:00~ 2:00 24~25℃
*2:00~ 6:00 23~24℃

*高温室(花芽分化抑制) 3.5~4号鉢(鉢物としては最終仕上げ鉢)に鉢上げから8~10ケ月前後栽培して株を充実させる。全栽培面積の30%位の面積が必要で、花 芽分化を抑制し成長を促すために高温で栽培する。ここでの栽培が開花室での花芽分化に大きな影響を及ぼす。
 
*6:00~21:00 28~33℃
*21:00~00:00 27~28℃
*00:00~ 2:00 26~27℃
*2:00~ 6:00 25~26℃

*開花室 高温室から搬入して約4週間で花芽が見える。搬入から出荷まで約4.5ケ月~5カ月を要する。夏はクーラーが不可欠で鉢物出荷の場合では栽培面積の40%位の面積が必要。

*6:00~10:00 20~22℃
*10:00~14:00 23~25℃
*14:00~21:00 20~22℃
*21:00~ 6:00 18~19℃

 

c.計画的な苗の供給

上記の環境を上手に回転させるには計画的な苗の供給が不可欠で私の所では下記のような計算にもとずいてフラスコ出し数を決定している。

 *開花室面積(坪)×50鉢×2回転=必要開花株数
 *必要開花株数×1.43(歩留まり70%として)=フラスコ出し苗数
 *フラスコ出し苗数÷12ケ月=1ケ月当たりフラスコ出し苗数
 *一月当たりフラスコ出し苗数の中に色彩ごとの比率を考慮して品種を決定する。

 
 
 
 
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