ファレノプシスの素焼き鉢栽培と潅水

社長の独り言

ファレノプシスの素焼き鉢栽培と潅水 

 

hitori-tetuzin

こだわりの栽培技術について社長が勝手に言い放つ! 聞きたい人だけ聞いてくれ!

はじめに

ファレノプシスの栽培では、プラスチック鉢と素焼き鉢栽培の二通りの栽培方法が行われてるが、当園では素焼き鉢を使い灌水を控え目にして締まった植物体をつくる事を心掛けている。 それは同時に水苔の劣化を防ぎ長期間の栽培が可能で、お客様の手に渡ってからも水持ちがよく健全な根を維持しやすい環境が提供出来るからである。

 

素焼き鉢栽培の潅水のポイント

 良く乾かしてからたっぷり灌水する事が基本である。

 

 水苔の性質上、湿り気を残したまま灌水をすると水を含み過ぎる。どの程度、乾かすかというのは文章にする事はむずかしいが、指先で湿り気を感じなくなるくらい、また鉢を持ち上げて鉢の中心に重みを感じなくなるくらいまで乾かす。その後たっぷり灌水する。このサイクルを繰り返す。

 特に仕上げ鉢(3.5~4号鉢)へ鉢上げ後2~3ケ月間は中心に残っている小苗の時の古い水苔が乾くまで、しっかり乾かしてから灌水する。植え替え直後はやや葉が下げきみで元気が無い程度がよいが、葉にシワができるようでは乾かし過ぎである。この時期、地面に散水して空中湿度を出来るだけ高く維持するようにするとダメージが少ない。しかし、初期の水管理が多くなってしまう事がよくある。その原因が幾つかある。

*水苔と鉢が新しいので白っぽく乾いて見える。
*古い苔と新しい苔のなじみが悪く、中心と外側の湿り気の差が大きい。
*根が張り込んだ時よりも、ウォータースペースが深く灌水量が多くなりやすい。
*根が張り込む前は、水分の吸収量も少なく乾きが遅い。
 

 

photo2

 

根が張り込んでからの潅水

 鉢上げ後2~3ケ月が経過すると、新しい苔に根が張り込む。その頃になると古い苔と新しい苔がなじんで毛管現象が働くようになる。古い苔の水分が外側の新しい苔に向かって移動し湿り気の内外差も少なくなる。
 その頃から外側の新しい水苔(新しい根) を基準に灌水する。したがって灌水量もやや増えて来る。さらに開花直前からは蕾や花から蒸散する水分も多くなるので多めの水管理が必要である。

 初期の水管理が多いと葉が立って元気が良いが、根の数が増え難く3~4ケ月以降の生長に差ができる。水苔が新しいうちに根を張り込ませる事がポイントである。 水苔が古くなってから、水管理を辛くしても根が痛んだ水苔を拒否してしまう。また、発根位置が高くなり空中に出てしまうので中に入り難い。

 

最悪の水管理は、前半に早く生長させるため 水を多く与え、後半になって根の状態が悪くなったので水を控えるような管理である。 水の多い管理に適応している株を乾かすとダメージが大きい。栽培期間中の水管理が適正であったかどうか判断するポイントは根の太さである。水が少な過ぎた場合、根は細くなり本数が増え、多すぎると太くて本数が少なくなる。注意深く観察する事で自分の水管理を診断する事が出来る。

 

 灌水と植え方は一体の物であり、上記のような水管理をするためには、次のような植え方が必要である。 植え方のポイントに続く

 

 

 
 
PAGETOP
Copyright © (有)森田洋蘭園 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.